ノートもだんだん電子化しつつある大学の現場。コロナの影響もあってペーパーレスになった大学も多いのではないでしょうか。僕はコロナ前からかれこれ3年、iPadでノートを取っていますがそのときに使っているのが「GoodNotes」というアプリ。今回は意外と知られていない、このアプリの機能をご紹介します。
- GoodNotesでどんなことができるのかが分かる
- 紙とペンと違う、電子ノートならではの使い方がわかる
- 購入前であっても、GoodNotesの大体の機能と魅力がわかる
ような記事になっていますので、既に購入された方も、これから購入されるという方も参考にしてくださいね。
3年ほど前から愛用し現在では紙のノートやプリントは一切使わず、GoodNotesだけで毎週大学の講義を受け、予備校で週10コマ以上の講義を行なっている僕が徹底的に紹介します。
ノートを取るのがもっと便利に、快適になる
GoodNotesはノートアプリです。僕はiPadを購入する以前は、紙のノートやプリントを大量に持ち歩いて使っていたので非常に不便でした。しかし、今ではiPad一台あれば全てのノートが取れます。ノート持ってくるの忘れた!なんてこともありません。
でも、もちろんただ単にノートが取れるわけではありません。ただただノートを取るだけだったら他のアプリもありますからね。
ペン1本であらゆる機能が、もちろんPDFを読み込むことも
これはノートアプリとして最低限のこと。
まず便利なポイントの一つが「一本のペンが現実のペンの10倍以上の機能を持つ」ということ。ペンとしてものを書くのはもちろん、ペンの太さを変えたり筆ペンや万年筆のモードにすることはもちろんのこと、消しゴムとしても使用できるしマーカーとしても使用できるのです。パンパンの重たい筆箱を持ち歩く必要がなくなる、これかなり大きなメリットと言えるでしょう。
新型コロナウイルスの影響もあって、一気にペーパーレスが進みました。ペーパーレスが進んだことで、PDFファイルとして大学の講義レジュメなどが配られることもしばしば。こういったPDFファイルを印刷しなくても直接手書きができてしまうのです。これは一つ、大きなiPadの魅力です。
自分の手書きを検索できてしまう!もちろんインデックスも
そしてここからは電子ノートならではの機能です。PDFやノートにインデックスをつけることができます。これは普通の紙のノートでも当たり前と言えば当たり前ですが。
そして紙のノートでは簡単にはできないこと、それが「検索」をすること。GoodNotes5では手書きの文字を認識しておいてくれ、それを検索することができます。こんな感じ。
もちろん英語にも日本語にも対応していて、精度がかなりいいんですよね。走り書きで書いた文字も認識してくれます。検索の際は、認識した文字が間違っている可能性を含めて、似た単語なども検索してくれます。今まで2年半使ってきて、「検索したかったのに、検索に引っ掛からなくて諦めた」ってことは一度もありません。かなりの認識精度。
バックグラウンドで認識を行なっているようで、検索したい時にはいつでも検索をすることができます。また、PDFとして書き出すときには、手書きのままでありながら文字として選択することができるようにエクスポートされます(つまり、長文を手書きしていたらそれをコピペして入力された文字として扱うこともできてしまいます)。今後は、数式の部分はLaTeX形式でエクスポートできるようになってくれると嬉しいのですが(難しいでしょうね笑)…
あとから重要なところのペン色を変えることもできる!
デジタルノートですから、一旦書いた文字も色を容易に変えることができます。
文字を変えたい部分を選択します。
メニューの中から「カラー」を選択すると、変えたい色を選ぶことができます。
これだけで色を一気に変換できてしまうんです。
2枚目の写真を見ていただければわかると思いますが、色を変える以外にもコピペなどさまざまな機能が備わっています。
デジタルノートならではの機能が盛りだくさん
GoodNotesは何といっても機能が豊富。そしてそれらの豊富な機能が、低い敷居で使うことができます。
ページの追加は簡単!
まずページの追加。ルーズリーフみたいな感じですね。ちょっとノートを追加したいって時にはページを追加すればいいのです。
まず、新しいページを挿入したいところの上のページへいきましょう。僕はそれで統一しています。でもこのGoodNotesは優秀で、新しいページを追加したいところの下のページに行った場合でも対応できます。もちろん、あとからページの順序を変えることもできちゃいます。
そして追加するページがどういうものか(今までと同じものか、違うものか)は毎回選ぶことができます。例えば、今まではノートを取っていたけどここからはグラフを描きたい、という場合はそのページだけ方眼にするなんていうことも可能。
という感じで、ページを追加することができました。
例えば、PDFに書き込みをしてノートを取っている間に新しくちょっと補足がしたくなった。その場合でも2つ選択肢があるのです。
- 真っ白の新しいページを追加する
- 今のPDFページを、手書きノートがない状態でコピーする
講義レジュメや参考書などでは1つ目の方法が使えますね。講義レジュメに、自分なりの考えや計算過程を入れるときに使います。一方、2つ目の方法は問題演習の際などに使えます。
アイテムを動かすこともできる
電子ノートならではの機能として、「既に書いたものを移動する」と言うこともできます。小さいものであれば一旦けしてもいいのですが、がっつり数行追加したいというときに、ルーズリーフなどの紙のノートでは基本的に「1枚(2ページ)丸ごと追加すると言う方法しかありません。
しかし電子ノートなら少しだけ移動してってことが簡単にできてしまいます。例えばこんな感じ。
まず移動したいところを選択します。長方形とかではなく、投げ縄で、柔軟に選択できるのもひとつの魅力です。
選択したら、あとはドラッグ&ドロップで動かすことができます。もちろん、コピー&ペーストもできますが、僕はたいてい、ドラッグ&ドロップで事足りてしまいます。
既に書いたものを簡単に移動して、そしてそこに何か付け加えるってことができるのです。これはかなり便利な機能です。
オンラインで大活躍!Zoomにも対応するプレゼンテーションモード
オンライン化で大活躍したのがこれ。Zoomでの発表の際、プレゼンテーションモードというものを使うことができます。共有メニューから選ぶだけ。
通常、共有方法を変更しても特に画面に変化はありません。これは、AirPlayや有線でモニターに繋いだときに変化が起こります。「プレゼンテーションモード」にしておくと、画面がそっくりそのままミラーリングされなくなります。上にある、パレットなどが隠されてノートだけの状態で表示されるようになるのです。
Zoomは、通常のPCをAirPlay受信機としてiPadやiPhoneの画面を共有する機能があります(有線でも共有できますが、メンドーなので使ったことがありません)。この際、iPadを手元に置いておくとペンタブのような、でも手元ではパレットを使った操作ができて相手にはパレットが映っていないという状況が作れます。
これ、オンライン会議などではかなり便利なので活用してみてくださいね。
PDFにエクスポートも、自動バックアップもできる!
もちろん、PDFや写真としてエクスポートして誰かに送る、なんてこともできちゃいます。
PDFやPNGなどにエクスポートして使うことができる
これは電子ノートなら当然といえば当然のことですが…もちろんできます。
PDFにする際に、全てをPDF化することもできますし、特定のページだけをPDF化することもできます。そして、背景を今使っているもののまま(罫線などそのまま)エクスポートすることも、背景をなくしてエクスポートすることもできます。僕は基本、背景そのままでエクスポートすることが多いですがね。
自動で主要クラウドにPDF保存することも!
そしてこれ。初めて知ったときなかなかすごい機能だなって思いました。
各種クラウド(OneDriveやGoogle Drive、Dropboxなど)に自動でバックアップすることができるんです。それも、GoodNotes形式のファイル(GoodNotesでのみ読め、背景がどこで、ペンで描いたのがどこかをきっちり記憶しているファイル)だけではなくてPDFでも保管しておくことが可能。
このバックアップ、さらに優秀なことに変更があるとすぐに上書きされます。PDFもちゃんと上書きされます。
僕はPDF+GoodNotesでOneDriveに保管しているので、もしiPad本体を忘れた!なんてことがあっても安心。職場のパソコンで自分のOneDriveにログインしてPDFをダウンロードし、印刷すればよいのです。ほぼリアルタイムでバックアップされますし、使い終わった(=iPadを閉じた)時には確実にバックアップがされるようになっているので、「古いファイルでさっき書いたのが更新されていない…」ということもありません。
iCloud経由でiPhoneやMacとも同期
クラウドの中でも、iPadと最も相性がいいiCloudは別です。先ほどの主要クライドに加え、iCloud経由でGoodNotesファイルをアップロードしておくことが可能です。これは、バックアップではなく同期のためといった感じでしょうか。
iCloudでの同期をオンにしておくと、iPadに加えiPhoneやMacでもほぼリアルタイムに更新されるようになります。電車の中でノートを、iPhoneで手軽に見返すだとか、あるいはノートを元にMacで作業をするだとか(予備校での指導のために、解答解説をMacでLaTeXを使って作ることがあるのでMacではよく使います)、こういった使い方もできるわけです。
AppleのApp StoreはiPhone-iPad-Macで連携しています。ので、iPadで一度アプリを購入してしまえばMacやiPhoneのアプリは、同一のAppleアカウントでログインしている限り追加料金は必要ありません。
これ以外にも便利な使い方や、実は意外と知られていない「裏技」のようなものも多数あります。今回紹介したものも含めて、GoodNotesだけで毎週大学の講義を受け、予備校で週10コマ以上の講義を行なっている僕が徹底的に紹介します。