今では「世界で最も売れている時計」となったApple Watch。Apple watchを使っている人はしばしば見かけるけど、あれって便利なの?と思う方もいるでしょう。ここでは、実際に半信半疑でApple watchを使ってきた経験をもとにApple watchがこんなところで使えるんだということを書いていきます。この記事は、
- Apple Watchで何ができるかわかる
- Apple Watchはどういう人が買う価値があるかがわかる
- 逆に買う価値があまりない人はどんな人かがわかる
ような記事になっています。迷っている方は是非参考にしてください。
目立って使うことはない、けど便利
電車や街中などでApple watchをしている人を見かける機会も多くなりましたよね?でも、腕でタッチパネル使って、ってやってる人見たことありますか?あまりないでしょう。
Apple Watchは積極的に使うものではない。けれど人によってはもはやないと困る。どんなところで使えるか、「これは便利すぎる!」というところをピックアップしていきます。
Apple製品のロック解除のために
まずでかいのが、Apple製品のロック解除。MacではApple watch発売初期の頃からApple watchによりロック解除することができていたのですが、最近のアップデートではFaceIDを搭載したiPhoneでもロック解除ができるようになりました。
元々、Macでできていた機能をiPhoneにも導入した形です。iPhoneはMacより持ち運ぶため落とすリスクが高い、Macより個人情報の塊であるという理由などから今まで対応していなかったのでしょう。しかし新型コロナウイルスの影響で、Face ID搭載iPhoneに急遽対応という形になりました、マスクをしている今では、外出先でなくてはならない機能です。
毎回パスコードを入力するのと何もせずにロック解除できるのではスピードが違います。利便性が違います。Apple watchを「付けている」だけでiPhoneやMacが使いやすくなる、いい例だと思います。
通知時計・iPhoneのリモコンとして
Apple watchを使っていると大きな機能だと感じるのが「通知機能」と「リモコン機能」。
まず、「通知機能」はいいですよね。Apple watchに対応しているアプリはもちろんのこと、iPhoneのみに対応するアプリの通知もApple watchに転送することができます。これにより、必要な通知を見逃すことがありません。同時に、不要な通知を一括で整理してオフにする、ということをApple watchを購入した際にしました。iOS 15では、「仕事モード」「休憩モード」など、設定ごとに、アプリ別で通知のオン・オフを設定できるようになるそうなので、さらに使い勝手・利便性が増しそうです。また、通知の音を切るのを忘れてた!って時には、1秒以上手のひらで覆うことで通知オフにすることができる、というのも便利な機能です。
続いてiPhoneのリモコンとしての役割。僕が主に使っている「リモコン」としての役割は2つ、1つはカメラのリモコン、もう1つは音楽プレイヤーのリモコンです。
iPhoneで自分たちが入る集合写真などを撮影するとき、どうしていますか?10秒タイマーですか?誰か一人のスペースだけ空けておいて「そこはいってない!もうちょっと右!もうちょい左!」ってやりますか?1枚撮るたびにiPhoneの元に戻ってボタンを押して、また走って写真に収まる”定位置”に戻って待ちますか?
Apple watchがあればこれがかなり便利になります。Apple watchの画面でカメラの画角を確認、そしてピントや明るさをどこに合わせるかもApple watchの画面上で、iPhoneの画面をタップするのと同様に操作することができます。そしてもちろんのこと、Apple watchからシャッターボタンを押すことができます。Apple watchでは、デフォルトで設定が3秒タイマーになっており、3秒を感触と音で知らせてくれて、そして写真を撮る瞬間にはApple watchの画面をオフにしてくれます。もちろん、先ほど撮った写真をApple watchの画面で確認することもできます。
以前、香川県の父母ヶ浜というところに行った際、めちゃくちゃ役に立ちました。父母ヶ浜には、潮溜まりがあるため、カメラをおく場所から距離は遠くないものの走っても夕に20秒ほどかかる場所に三脚でカメラを置き、Apple watchで操作しながら何枚も写真を撮りました。Apple watchがなかったら、そもそも写真を撮れていなかったでしょう。
また、iPhoneで音楽を再生している際、再生のリモコンとしても使用できます。一番使うのが電車の中や歩いている時。iPhoneを取り出して曲を先送りしたり、あるいは戻したりすればいいのですが、ポケットやカバンから出すという操作が不要に。音楽再生中はwatch上でも「再生」(音楽再生のリモコンとなるアプリ)に簡単にアクセスできるようになっています。
ちょっとした外出での携帯代わりとして
身近な使い方として「ちょっとした外出での携帯がわり」になることがあります。4Gモデルではなくても、です。4Gモデルはもちろん、単体でモバイル通信ができるのでiPhoneを持たずに外出しても通信ができます。僕はWi-Fiモデルですが、コンビニやスーパーくらいならiPhoneなしで外出してしまったりします。単に買い物行くだけなら、別に電話に出たり、メッセージに応答したりする必要はないですから。
でもたったそれだけではありません。Apple watchは優秀で、例えば家にApple watchを置いていたとしても、「過去にiPhoneで接続したことのあるWi-Fi」がある環境に入ると自動でそのWi-Fiに接続してくれます。そして、Wi-Fiを経由してネットワーク経由で、遠くにあるiPhoneと接続してくれるのです。これにより、Wi-Fiさえあれば外出先で連絡を取ることができるのです。
そして、僕はAirPods Proを使っているので音楽プレイヤーにもなってくれます。Bluetooth対応のイヤホンなら、AirPods以外でもダイレクトにApple watchと繋いで音楽を再生することができます。ランニングするときなど、この機能はめちゃくちゃ重宝します。iPhoneを持ってランニングするわけにはいきませんからね。
先ほどもちょっと触れた、ちょっとした外出を考えてみてください。例えば歩いてスーパーに行くとか、ちょっと自転車に乗るとか。こういう時に、いきなりメッセージが来ても返信するわけがない。iPhoneを持っていたとしても、コンビニとかにちょっとだけ寄って返信しますよね。これと同じで、コンビニなどのWi-Fiのある環境に入ると自動でWi-Fiが接続されるので、そう言ったところでチェックして、必要なら返信すればいいのです。
健康管理のために…はあまり使わないかも
Appleが全面的に打ち出しているのが「健康管理デバイス」としてのApple watchの役割。でも、正直言ってこの「健康管理」の機能はそこまで使いません。はっきり言って僕が使っているのは睡眠トラッキングくらいです。
ただめちゃくちゃ優秀なのもまた事実で、睡眠トラッキングで僕は睡眠を計測しています。もともと不眠症があって病院にも罹っていたのですが、医者に「じゃあ次来る時までに睡眠日記を付けて欲しいんですけど」って言われたのですが、すでにApple watchのおかげでつけてくれていたんですよね。それを見せたおかげで話は一気に進み、薬を処方してもらいました。自分で「これくらいの時間に寝たな」ではなくて、Apple watchは着けている人の体の動きや心拍数など、さまざまな情報を総合的に読み取って睡眠した時間を記録してくれます。これが実は、かなり優秀なんですよね。
ということで、病気など持っている人には健康推進の機能はかなり役立つ機能になります。と、ここで注意なのが「一部の機能は一部のApple watchにしか対応していない」ということ。例えば、現在Appleから発売されている3種類のApple watchの中で「心電図」の機能に対応しているのはSeries6のみとなります。という感じで、特に「ヘルス」の機能については機種によって制限があったりするので注意しましょう。
Apple Payはもはや手放せない!
そして普段から使っていて何より大きいのが「Apple Pay」の存在です。Apple PayはiPhoneをはじめとしたAppleデバイスで支払いができるサービスで、iPhoneではコンビニなどで物を購入することができます。そんなApple Payの機能が、当然のようにApple watchでも利用できます(実は、Apple Payのサービスが発表されたのと同じ発表会でApple watchも発表されています)。
ちょっとした買い物のお供として
先ほども少し書いた「ちょっとだけコンビニに行ってくる」「ちょっとだけスーパーに行ってくる」というときに使えるのがApple watchのApple Payです。Apple watchのApple Payは、カードの情報等が完全にApple watch側に保存されているため、GPSモデルでiPhoneを持っていなくても支払いをすることができます。財布もスマホも持たずに買い物ができる、これなかなか便利なんですよね。
そして僕は、普段もApple watchを使って買い物をしています。Apple watchはポケットから何かを出すという手間がない。これがでかいんです。iPhoneのApple Payでさえ、「iPhoneをポケットから取り出す」という手間がかかります。指紋認証・顔認証を通さないと支払いができないというセキュリティ面での安心感はありますが、それ以上のことは「財布がなくなってやや荷物が減る」くらい。
しかしApple watchであれば、腕時計ですから基本、常に着けています。本当に荷物がなしでお買い物ができてしまうのです。つい最近、日本でもついにApple PayでのVISAコンタクトレス支払いが対応しさらに使いやすくなりました。今までもVISAカードはiDやQuickPayなどのICカードブランドで利用することができたのですが、さらに進化した形です。
モバイルSuicaを使えば電車もこれで
モバイルSuicaもApple Payで利用することができます。Apple PayでのモバイルSuica発行なら手数料やデポジットは一切かかりません。スマホで発行してそのままクレジットでチャージして使い始めることができるので、Suicaエリアとなる首都圏に住んでいる人以外でも利用することができます。全国共通交通系ICカードが使えるエリアなら全てのエリアで使うことができます。
ここ1年くらいでは、沖縄のモノレールが全国相互利用のICカードに対応しました。これからも、Suica等の全国共通ICカードが使えるエリアは増えていくと思われます。この、どんどん増えていくエリアの鉄道を、Apple watchをタッチするだけで乗ることができるのです。
実は新幹線も飛行機も、これひとつで!
裏技というほどでもないのですが、実はこのApple Watch1台があれば、在来線だけではなく新幹線や飛行機も乗れちゃうのです(一部、対応していない鉄道会社・航空会社もあります)。
実は2021年現在、九州新幹線を除く全ての新幹線が「チケットレス」に対応しています。そして、現時点で唯一対応していない九州新幹線も、2022年春に「EX予約」サービスを開始し、全線でチケットレス乗車に対応すると発表しています。九州新幹線のEX予約対応を持って、日本全国全ての新幹線がチケットレス予約に対応することになります。
このチケットレスの機能ですが、簡単に説明してしまうと
- Webサイトやアプリ上で列車や運賃を選択、クレジットカードで支払い
- 予め自分のICカードを登録しておく
- 新幹線の自動改札機にICカードをタッチすると、改札機がICカードの情報を基にネットワーク上の予約情報を取得
- 改札を通過できる
というシステムです。東京駅で西と東に分断されているのが少し残念ですが、ここもいつか相互対応してくれると勝手に期待しています。
少し話はそれましたが、チケットレス乗車に使うために設定するICカードをモバイルSuicaにしておけばApple watchをタッチすることで新幹線に乗れてしまうのです。ネットで予約したら、あとは改札でApple watchをタッチするだけ、極めて簡単です。
そしてさらに飛行機も。大手航空会社2社のANAとJALはすでにチケットレスに対応しています。航空券を、iPhone上からアクセスしたWebサイトやアプリから、Walletに使いできるのです。iPhoneのWalletに追加すると、自動的にその航空券はApple watchにも追加されることになります。ANAであれば「Skipサービス」、JALであれば「タッチ&ゴー」というサービスで、どちらもWalletに登録された航空券の、QRコードを保安検査場と搭乗ゲートの改札機にかざすことで飛行機に乗ることができます。
最近ではタクシーなどもICカードやクレジット支払いに対応していることを考えれば、地方の鉄道やバスなどを除いたほとんど全ての交通機関はApple watch1つで乗ることができるのです。もちろん、飛行機にも乗れてしまって海外へも行けちゃいます(Apple wathcだけ着けて海外に行くなんてありえないか笑)。
実はちょっとのデメリットも
実は少しデメリットもあります。デメリットも隠さず紹介していきます。
充電をどうするか問題
まず問題となるのが「充電をどうするか」問題です。従来からあるタイプの腕時計も進化を続けていて、今では高機能な腕時計ですら「充電不要・電池不要」というものが多くあります。腕時計についた、ちっちゃなソーラーパネルで少しづつ充電をしているのです。
しかし僕の経験からして、Apple watchの充電は満タンにしても頑張って2日間くらいしか持ちません。毎日充電するのが普通です。充電を毎日しなくてはならないのだが、「睡眠トラッキング」などの充実した健康トラッキング機能があるから寝ている間は外して充電ってのも…
そんな方には、少しお高いですがバッテリー入りの充電器を購入することをオススメします。これ、かなり便利です。僕も北海道周遊の際をはじめ、旅行の時は常に持ち歩いて使っています。持ち歩いて使っても邪魔にならないコンパクトさ・軽量さもまた魅力です。
試験などに持ち込めない問題
続いては試験などに持ち込めない問題が。Apple watchは通信機能が装備されているので、自然と試験には持ち込めないということになります。従って、学生や試験を受ける機会がある人はスタンドタイプの時計などを別途用意しておく必要があり、Apple watch1台では済まないというのが少し残念。ただ、今ではスタンドタイプの時計は百円ショップでも購入できる時代なので、百円ショップで購入して1台用意しておくといいでしょう。
iPhoneの機能が使える、わけではない
たまに勘違いしている人がいますが、iPhoneの機能がそっくりそのまま使えるわけではありません。むしろ、使えない機能の方が多い。
ここまでで紹介してきたように、Apple watchはiPhoneとは異なるデバイスです。iPhoneと同時に使うことが前提となっているものの、それ単体でiPhoneの代わりになることは意図していません(それもあって、僕はあまりセルラーモデルはオススメしません)。
したがって、iPhoneでできる機能を全て腕の上に持ってこよう、Apple watchを身につけられるオールインワンのデバイスにしようと考えている方にとってはApple watchは少し違うものに写ってしまうかもしれません。そもそも、iPhoneに搭載されている「iOS」と、Apple watchに搭載されている「Watch OS」は元々別のものです(iPhoneのiOSとiPadのiPadOSは元々同じものでした)。iPhoneの制限版というより独自の、ウエアラブル端末ならではの機能を搭載したがのApple watchといえるでしょう。
今回は、Apple watchの使い道・便利な機能等を徹底的にご紹介してきました。特に屋外でアクティブに動く人にとってはメリットしかないデバイスです。Apple watchを購入しようか迷っている人は、この記事を参考にしてくれたら幸いです。